お彼岸で気を付けておきたい常識とは?
日本の伝統、お彼岸には古くから残っている常識的なマナーが存在します。親戚一同が集まるお彼岸で役に立つ、お彼岸のマナーについてご紹介いたします。
お彼岸とは?
そもそもお彼岸とはいったいどういったものなのでしょうか?最近では、古郷より遠方に住む方が多くなり、お彼岸の時期に古郷に戻りづらくなっていることや、お盆にまとめてお墓参りを済ませるという方も少なくありません。
なので、そもそもお彼岸とはいったいなんなのかをご存知ないという方も多いのではないでしょうか?この項目では、そんなお彼岸についてご紹介していきますので、お彼岸が初めてという方はぜひご一読ください。既にご存知の方も、再確認ということで目を通してみてはいかがでしょうか?
まず「お彼岸」という言葉の意味とはなんなのでしょうか?「彼岸」という言葉は煩悩を克服することでたどり着ける悟りの境地を指しています。現世とあの世が繋がっている場所が三途の川とされていますが、私たちが生きている現世を此岸(しがん)と呼び、三途の川の向こう岸であるあの世を彼岸(ひがん)と呼ぶのです。
お彼岸が行われる期間は、年に2回訪れます。3月の春分の日と、9月の秋分の日の前後3日間を合わせ、合計7日間設けられていることが一般的ですが、地域によってお彼岸の日程が多少ずれることもあります。
春と秋、それぞれお彼岸の期間が始まる最初の日を「彼岸の入り」と呼び、春分の日、秋分の日を「中日」、お彼岸の期間の終わりの日を「彼岸明け」と呼びます。
お彼岸の日程で注意すべきことは、春分の日、秋分の日は年によって日程が変わるので、お彼岸の期間も変わるということです。
お彼岸の予定がある方は、事前に春分の日、秋分の日がいつなのか確認しておくと良いでしょう。
お彼岸にお供えするお花
お彼岸は一般的にお墓参りをすることが多いのですが、その際にお供え物を持っていくことがマナーの1つです。お墓参りのお供え物は「香」・「灯」・「花」・「浄水」・「飲食」の五供と呼ばれる5つの要素が仏教の基本となります。お彼岸のお墓参りで持っていくべきお供え物は特別な決まりはありませんが、宗派やお墓参りの基本的なマナーを守っておくことが無難です。左から順にお線香、ろうそく、お花、お水、食べ物を意味しています。
お彼岸にお供えするお花の種類や、果物やお菓子、お酒…その他、親族の方がお供えしたいものや、ご先祖様が好きなものが良いでしょう。
お彼岸のお墓参りで持っていくべきお供え物は特別な決まりはありませんが、宗派やお墓参りの基本的なマナーを守っておくことが無難です。
この項目では、そんなお彼岸のお供え物の中でもどの種類を選ぶべきか迷いやすいお花についてのお話をしていきます。
先述のように、基本的にはどんなお花をお供えしても良いので、逆に避けたほうが良いお花を知っておくことでお供えのお花を選ぶことに多大な時間を費やしてしまわずに済みます。また、お彼岸で避けられているお花は、普段のお墓参りでも避けられているお花なので、ぜひ知っておきましょう。
避けるべきお花の特徴は3つあります。
1つは棘を持つお花です。棘は攻撃性があると捉えられるため、お供えしたご先祖様の失礼にあたるとされています。
棘がついている代表的なお花といえばバラやアザミです。中にはお供えものにできるよう、棘が取り除かれているものもあるそうなので、どうしてもこうしたお花をお供えしたいという場合は、そちらを選んでみるのも良いでしょう。
2つ目はツルがあるお花です。ツルが絡みつく様子が、成仏できない様子を連想させるため、お供えものに選ぶことは避けられています。
代表的なお花はスイートピーやクレマチスです。どちらも可愛らしいお花ではありますが、お墓参りのお供えものに選ぶのは避けたほうが良いでしょう。
3つ目は毒があるお花です。これは単純に、毒があるお花をご先祖様にお供えすることは無礼にあたるからです。
お彼岸と聞くと、彼岸花が思いつく方も多いかと思いますが、彼岸花にも毒があるのでお供えものに選ぶのは避けるべきでしょう。他にはスイセンやスズランなどのお花も毒があるお花なのでご注意ください。
お墓参りの手順
お墓参りはご先祖様を思い、お墓の前で合掌することが基本的なマナーです。その他にもお墓参りの手順があるので、あまりお墓参りをしたことがないという方は、ぜひこの項目で確認しておきましょう。
お彼岸のお墓参りに持参するものは一般的に数珠、お線香、ろうそく、お供え物です。また、お供え物は地面に直置きするわけではなく、半紙の上に置くので敷物などを用意します。他にはお墓をきれいにするための布やたわし、ごみ袋を持っておくと良いでしょう。
お墓参りはまずお墓の周りの掃除から始めます。お墓の周りの落ちている葉をホウキで掃いたり、雑草が生えていたりすることもあるので、抜いておきましょう。
お墓には打ち水をして、たわしで掃除することが一般的ですが、墓石が痛むので打ち水や、たわしでの掃除を行わないというご家庭もあるようです。その場合は雑巾などの布で水拭きをしてから乾いた布で掃除しましょう。
お墓の掃除を終えた後は、持参したお供え物をお供えしていきます。先述の敷物や半紙を敷いた上に供え、ろうそくに火を点け、お線香を手向けます。
お墓の準備は整ったので、合掌礼拝をします。宗派によって合掌礼拝の作法が異なるので、古くから仏教を重んじているご家庭であれば、事前に確認しておくと良いでしょう。ご先祖様への感謝の気持ち、今後の安泰など、自分の思いを伝えましょう。
合掌礼拝を終えれば、最後は後始末です。お花以外のお供え物は基本的には持って帰ることがマナーです。お線香の火は吹き消すのではなく、あおいで消すように最後までご先祖様を敬う気持ちを忘れてはいけません。マナーを守って、正しいお墓参りを心掛けましょう。
お墓参りの時の服装
お墓参りはフォーマルな服装で行くべきか迷う方が多いかもしれませんが決してスーツなどで行く必要はありません。先述のように、お墓参りは服が汚れてしまう可能性があるので汚れてもいい、動きやすい服装が好まれます。墓地の場所によっては山道である可能性もある為、ヒールや履きなれていない靴は避けるべきでしょう。
また、墓石を傷めてしまう可能性があるため、指輪や長いチェーンのネックレスなどは避け、革のジャンパー、アニマル柄のような派手なデザインを避ければ、普段着で問題ありません。
9月の秋分の日のお彼岸では、まだ日差しの強い日が続いている場合もあるので、帽子をかぶったりすることも良いでしょう。
ただし、お彼岸にお墓参りだけでなく、法事を行う場合は男女ともに喪服で行くことが常識です。7回忌までは喪服を着ていくことがマナーだとされているので、お彼岸にお墓参りをするご先祖様に合わせて、どの服装で行くべきか事前に確認しておくと安心です。
男性は白のワイシャツに黒のスーツ、ネクタイ、その他の小物も黒で統一することが基本です。女性の場合も同じく黒のスーツかワンピースにしましょう。
お彼岸のお墓参りには様々なマナーや常識がありますが、決して難しく考える必要はありません。大切なのはご先祖様を敬う気持ちです。正しい作法でお墓参りをすれば、ご先祖様もきっと喜ばれることでしょう。
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